●富岡はまかぜ

分野

(対象種別)

運営主体  所在地 使用評価項目

報告書作成日

(評価運営委員会開催日)

高齢 

(特別養護

 老人ホーム)

(社福)

ひまわり福祉会

横浜市金沢区  横浜市版 2013年11月19日
 
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公表用評価結果報告書【富岡はまかぜ】.pdf
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報告書より抜粋:総合評価

【施設の概要】

特別養護老人ホーム富岡はまかぜ(以下「当施設」という)は、横浜市金沢区富岡東2丁目にあり、JR「新杉田」駅(または京急「金沢八景」駅)で金沢シーサイドラインに乗り換え、「南部市場」駅下車、駅前にあります。周辺は、元々埋立地に誘致された企業が多いところですが、横浜市中央卸売市場南部市場、公務員住宅、保育園やほかの高齢者施設等もあります。     

当施設は鉄筋コンクリート造3階建てで、平成243月に開設10周年を迎えたところです。定員は、介護老人福祉施設としては110人ですが、他にショートステイ20人、デイサービス40人を受け入れています。施設内の居室定員は1人~4人ですが、多床室もゆとりのある広さとなっています。

運営法人は、昭和62年設立の社会福祉法人ひまわり福祉会(本部:横浜市港南区野庭町)で、当施設のほかに、特別養護老人ホーム野庭苑、介護老人保健施設港南あおぞら、横浜市野庭地域ケアプラザを運営しています。

基本理念として次の3つを掲げています。

・個人の尊厳ある日常生活の保持を目指し、良質なサービスの提供に努めます。

・利用者の意向を十分に尊重し、いつでも誰でも安心して利用できる総合的なサービスの提供に努めます。

・地域福祉の拠点として、開かれた施設づくりと地域福祉の推進に努めます。

 

●特長・優れている点

1】職員は真摯に利用者中心の介護に努めています

 職員は利用者に寄り添い、それぞれの専門性を発揮しながら連携しています。 

 まず入所にあたり、利用者・家族が施設を見学して、その後の生活の場となる施設をよく見ることをうながしています。その際、質問には丁寧に答え、利用者の意向に可能な限り沿うようにしています。個別援助計画の作成と見直しにも利用者・家族の同席を推進し、定期的に見直すだけでなく、実際に目の前の利用者にとってどのようなサービスがよいかを多職種で検討しています。

例えばリハビリについては、食事・排泄等生活の場面もリハビリととらえる「生活リハビリ」の考えを貫き、作業療法士が計画し、介護職員等と話し合って実行します。その際、一人ひとりの介助の手順やポイントを写真や図で表して居室に掲示するなど、介護の一貫性を保つようにしています。分かりやすい図になるように施設長がアドバイスをすることもあります。また、ADOC(作業選択意思決定支援ソフト)によって、発語が苦手な利用者も意思が伝えられるような取り組みも始めています。そうしたことの結果、利用者の意欲が高まり残存能力の維持ができ、さらには、立位が保てずトイレに行けなかった人が支えられて行けるようになったり、スプーンを持てるようになった人の食事が全介助でなくなったりしています。

 利用者が楽しみにしている日々の食事についても、見た目も味もよくして食欲が増す工夫をし、季節感があり利用者になじみのある行事食を月2回程度提供しています。さらに、好みに合わせて寿司やおやつバイキングの日、主菜が肉か魚かを選べる日など、お楽しみメニューが多くあります。利用者が噛みくだいたり嚥下したりする力に合わせて、多様な形状の食事を提供していますが、「食は生きる力の基」として、栄養士は介護職員とともに食事中も見回りをして、様子を見ながら声かけをしています。

 このような取り組みで、施設内は重度の利用者が少ないような印象も受けますが、医療依存度の高い利用者として、経管栄養、胃ろう、酸素療法、インシュリン、尿カテーテルなどの人も、看護師等多職種で安全安心を重視した計画を作り、受け入れています。

 最後に特記することとして、看取りへの取り組みがあります。施設が医師の判断の下、利用者・家族とよく話し合った上で、希望があれば多職種で入念な計画を作成し、1週間ごとに見直しをして、看取りを実施しています。利用者・家族に寄り添ったターミナルケアの後に、最期を施設で迎えた人は退所者の67割にもなります。そうした利用者を可能な限りたくさんの職員が玄関で見送ります。家族は感謝し、職員は仕事の誇りややりがいを感じるとのことでした。

 

2】地域との関係を大切にした実践をしています

 施設の所在地は埋め立てによる開発地域で、昔からの住民は少なく、一般的には地域との関係が作りにくいところですが、施設は基本理念にも地域福祉を掲げ、「地域福祉の拠点」となるように努めています。

 地域の人に向けて、年4回介護教室を実施しています。今年度は「効果的な水分補給と栄養」「体の機能やリハビリ」「メンタルケアについて」等、施設の専門職員や外部の医師等を講師に計画していますが、年1回は「富岡はまかぜの生活について」をテーマとし、見学や体験を含む講座を開いて、施設の紹介をしています。年4回発行する広報誌には地域とのふれあい活動を1ページ取り入れ、地域に配布しています。また、職員は区や社会福祉協議会等と連携し各種会合に参加して、地域のニーズの把握をしています。

 施設の1階の広い掲示板には近隣の小学校や養護学校の作品も掲示されますし、町内や近隣の公務員住宅のお祭りや花火等には、施設の利用者が見学するだけでなく、安心して花火を見ることができるように住民が席を作ってくれたり、職員が後片付けのボランティアをしたりしています。また、施設のお祭りに地域の高校生が10名以上ボランティアとして参加するなど、交流が進んでいます。

 さらに、施設は近隣の学校から実習・体験学習も多く受け入れ、丁寧に指導し、後輩やよき市民を育てるようにしています。依頼されて近くの研修センターで、相談員、作業療法士等がフィリピン人介護福祉士候補生に施設のレクリエーションについて講義をするなど、「富岡はまかぜ」の認知度が高くなっています。

 

●独自に取り組んでいる点

職員の能力開発に積極的に取り組んでいます

運営法人は「コンピテンシー管理方式」という新しい仕組みを取り入れて職員の専門能力開発に取り組んでいます。この管理方式は専門職種別、階層別に求められる専門能力が示されて、それぞれの職員がどのような能力をこれから伸ばしていくべきかが明らかにされる仕組みです。共通の能力として、「チームワーク」「顧客満足」などがあげられており、次いでそれぞれの職種別に必要な能力が挙げられています。毎年期初に上長と本人が面談することで目標が設定され、期末にはその達成状況が評価されます。それぞれの能力が一定の基準で評価され、課題が明確になることで、施設として体系的な能力開発が可能となっていきます。

実際に、職員が自ら能力開発に意欲を持っている姿が見られ、それぞれの専門職種が新しい方法を考えたり、ケアのあり方を改善しようとする意欲が見られました。さらに、施設長が職員に対して資格を取ることを積極的に勧めていることも、職員の能力開発に対するモチベーションを高めている要因となっています。

 

 

●今後の取り組みが期待される点

外出支援や入浴支援のさらなる充実が期待されます

利用者が外出する際には、安全のため付き添いが必要になります。職員が買い物などに付き添うこともありますが、家族などの面会者が少ない人には、個別の外出の機会を確保するのは難しいようです。

また、施設は入浴について、週2回を基本に、介助が必要な利用者には着脱、入浴洗体等担当制で安全第一の支援をしています。職員は利用者がリラックスできるように声かけをしたり、利用者が希望すれば1人で入浴してもらったりする用意はありますが、安全を確保しつつそれぞれの利用者の希望に添う支援をすることは十分とは言えないようです。

施設は現行の制度の中でよい支援をしようと努めていますが、例えばボランティアを養成してその導入をより進めることにより、職員でなければできない支援をより充実させるなどの工夫をすることが期待されます。

 

 

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