●聖母愛児園

分野

(対象種別)

運営主体  所在地 使用評価項目

報告書作成日

(評価運営委員会開催日)

社会的養護

(児童養護施設)

(社福)

キリスト教児童福祉会

横浜市中区  全社協版 2015年2月2日
 
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公表用評価結果報告書【聖母愛児園】.pdf
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報告書より抜粋:総合評価

 

 【施設の概要】


児童養護施設聖母愛児園(運営主体:社会福祉法人キリスト教児童福祉会)は、前身の乳児院が開設された戦後間もないころから、一貫して家庭で養育することが困難になった子どもたちとその家族の支援をしています。現在、横浜市山手の住宅地に、2010年に改築された3階建ての施設で、2歳から18歳までの定員90名の子どもたちが、68名のグループごとに職員の支援を受け暮らしています。

キリスト教の愛の精神を理念として、当初から家庭的な養育を実践していますが、時代のニーズや課題に対する取り組みもしています。本園所在地の隣町に「本郷ホーム」を開設し、地域小規模児童養護施設として横浜市では最初に指定を受けています。本園の敷地内に同法人が「児童家庭支援センターみなと」を併設し、児童福祉について各種事業を展開し、他機関と連携しています。


 

●特長・優れている点


1】一人一人の子どもを大切にした家庭的支援


当施設は、幼児から高校生まで男女混合68名の子どもたちが、それぞれ12のホームで、通常2人の担当職員と共に兄弟姉妹のように暮らしています。2ホームに1人の児童指導員も子どもたちを支援しています。施設全体の栄養士が作成した献立表を基に、各ホームで担当職員が調理をして食事を準備しています。通学用の弁当は、おかずも考えて作っています。子どもたちも年齢に応じて家事ができるように、キッチンには安全を考慮されたIH調理器等が備えられています。各ホームでは職員と子どもで相談し、家事の担当、ホーム旅行の行き先、食事のあいさつの仕方、入浴順を決めるなど、一般家庭同様それぞれの生活様式で暮らしています。また、地域小規模児童養護施設「本郷ホーム」では、3名の職員が調理のみならず食事の献立作りから買い物まですべてホームで行い、6名の子どもたちと暮らしています。

施設は同時に子どもたち一人一人に合わせた支援もしています。未就園児(3名)と帰園後の幼稚園児(13名)は、園内保育「エンジェル」で専属の保育士と平日の日中を過ごしています。ホームでは1人の子どものために誕生日など外出をしてプレゼントを渡したり、学習支援が必要な子どもには、職員やボランティアが教えたりしています。パソコン、太鼓、茶道の教室があり、希望する子どもが取り組んでいます。家族のために親子で過ごす宿泊場所を提供することもあります。

子どもたちの自立に備え、高校生にはアルバイトを奨励し、職員の自立サポート委員会が毎月開かれ、社会体験ツアーを実施したり、パソコン教室を開いたり、外部のNPOなどとも協働するアフターケアの勉強会で職員が講師を務めるなど、開かれた活動をしています。退所者のために年1回「集まろう会」があり、旧職員も参加し、楽しそうな写真と共に、そこでの率直な意見が施設内に掲示されていました。

職員数が制度上限られる中、子どもたちには職員の温かいまなざしと熱意が向けられています。

 


2】現場職員の主体性を重視した日常生活支援


施設の各ホームの運営については、ほとんどのことが生活を支援する担当職員に委ねられています。

職員は、「子どもたちの最善の利益と権利擁護」という共通姿勢を持っていますが、生活の細部の決め方は各ホームで違っています。食事時の約束、衣類、学習支援等ホームの個性が表れています。

施設はA、B、C3棟(ブロック)ごとに各4つのホームがあり、それぞれ玄関やダイニングキッチン、個室中心の居室、トイレ、浴室等があり、主担当・副担当の2人の支援員を配置しています。隣り合った2つのホームの間に職員の宿直室があり、児童指導員はこの部屋から2つのホームに内部から行き来できますが、独立性の高い構造となっています。また、ブロックごとに主任が配置され、職員にアドバイスをしたり、休暇などで欠員が出ると現場に入ってケアの支援もしたりしています。主任は、日常的に各ブロックの様子を相互に話し合い、職員も会議や打ち合わせで各ホームの報告、連絡、相談をしています。バザーなど施設全体の行事となると、職員は一致協力して取り組んでいます。また、職員は出産・育児等の休暇を取得したり、一度退職後、園内保育の保育士として非常勤で働いたりするなど働きやすい職場となっています。

 


3】園の歴史の中で培われ、大切にしている近隣関係


施設は70年近い歴史の中で、乳児院、女子のみの児童養護施設、現在の児童養護施設と形態も運営法人も変わってきましたが、一貫して周辺のミッションスクールなどとの関係を持ってきました。現在もそのような学校から多くの生徒・保護者がボランティアとして参加しています。地域住民も裁縫、学習指導、ヘアカット、茶道等多様なボランティアとして来園しています。

子どもたちも学校の友人と「遊びに行ったり来たりする関係」が日常的に見られ、連合町内会の運動会で活躍したり、夏祭りや地域のマラソン大会に参加したりしています。毎年職員が総出で、近隣住民の協力を得て行う園のバザーには300人以上の参加者があります。

施設は地域の中で理解されて存在感を持っています。


 

●改善や工夫が望まれる点


1】手順書・マニュアルの整備と共有


各ホームでの支援は職員に任されている部分が多く、施設の家庭的な支援の根幹ともなっています。しかし、ブロックやホームは独立性が高く、他のブロックやホームは相互に見えにくく、基本的な支援の方法にもばらつきがあるようです。多くの子どもたちへの支援の基本をそろえるには、何が標準的な実施方法であるべきかというところから、職員間で日常の支援を振り返り上で業務の手順書を作り、確認することが望まれます。また、マニュアル類は整備されているものも多くありますが、職員が共有し定期的な見直しをするには、そのための仕組みづくりも望まれます。

 


【2総合的な人材育成計画の策定


施設では、職位、階層別にどのような知識、技術、資格を習得すべきかといった全体としての人材育成計画が策定されていません。計画を策定し、それに基づいた研修計画を策定することが望まれます。また、人材育成計画と連動する人事考課の実施も考えられます。職員は日常生活支援場面で意欲的に仕事をしていますが、毎年、一人一人目標を設定して、実践後の振り返りを行い管理職と共に達成度を評価し、次の目標を設定するような仕組みは未構築です。人事考課を実施する上で、職員との定期的な面談や意見集約を行うことが、さらに職員の意欲向上に寄与すると考えられますし、目標設定をする中で、ホームでの実践のよいものを全体に発信し、施設全体としても共有するなど、施設のより一体化された運営につながることが期待されます。


 


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