●白百合パークハイム

分野

(対象種別)

運営主体  所在地 使用評価項目

報告書作成日

社会的養護 

(母子生活支援施設)

(社福)真生会

横浜市泉区  全社協版 2015年3月31日
 
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公表用評価結果報告書【白百合パークハイム】.pdf
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報告書より抜粋:総合評価

 

【施設の概要】

 

「白百合パークハイム」は、社会福祉法人真生会が運営する母子生活支援施設で、「お母さんとお子さんが安心して、明るく健康的な生活が送れますように」をモットーに、利用者の円滑な社会生活への復帰と自立の実現に向けた支援を行っています。当該施設は横浜市泉区の閑静な住宅街の中にあり、駅から徒歩5分と交通アクセスも便利な環境に立地し、平成273月現在で16世帯が入所しています。また、同法人では隣接して乳児院「白百合ベビーホーム」を運営しています。

戦後間もない昭和2112月に、その前身である「白百合母子寮」として開設されました。平成261月に施設を全面改築し、快適性や安全面を飛躍的に高めています。


 

●特長・優れている点

  

1】利用者が「安心」を感じられる支援に努めています

  

当該施設では、利用者がより安心で快適な生活を送ることができるよう、さまざまな支援を行っています。利用者ごとの担当職員を中心に、母子支援員や心理職員が複数かかわり、傾聴しながら共に課題の解決を図っています。利用者の状況に応じて行政窓口や医療機関など、さまざまな場所へ職員が同行することもあります。また、施設内に「保育室」を開設し、平日午前の乳幼児保育を実施しています。乳幼児保育は母親からあえて理由を問わずに受け入れを実施しており、母親の所用や育児疲れの休息による利用のほか、他者交流が乏しい母親には利用を働きかけ、保育室で話を聞くなど孤立化の防止にも活用しています。子どもに対しては、中学生の個別学習指導や、不登校児への個別ケアも実施しています。

そのほか、利用者の大半がDV被害者であることを踏まえ、防犯カメラやオートロック電子錠の導入、避難路の確保、夜間警備員の配置など防犯設備の充実を図り、不審者侵入防止の体制整備を徹底しています。

利用者のヒアリングからも、「安心して生活できる」との意見が複数聞かれています。

 

 

2】利用者支援の実情を踏まえ、様々な趣向を凝らした施設空間を準備しています

 

当該施設では、平成261月の全面改築にあたって、設計の段階から職員の意見を積極的に採り入れ、利用者の生活を第一に考えた施設づくりを行いました。居室は明るい木目調の建具・床材を採用し、日当たりを考慮して全室南向きとしているほか、火災警報装置・スプリンクラーを全室に設置しています。サッシの網戸は穿孔処理を施した半透明のアクリル板を装着して、機能性と破れにくさ、プライバシー保護を兼ね備えています。引き戸は子どもの指つめ防止加工を施していますが、痛みを感じる程度は残して子どもが生活上の危険を認識できるようにするなど、工夫を凝らした建具を使用しています。居住棟の中庭にはつつじを植栽し、緑化を推進しています。

共有棟では相談室を3室設け、広さや内装、家具の色等を工夫して利用者がリラックスできるようにしているほか、心理相談室、プレイルーム(学童室)、保育室、学習室等を設置し、各々に大小の部屋を準備して多人数の活動と個別ケアの両方が実施できるようにしています。

既存の施設設置基準にとらわれず、職員の提案を積極的に採用し利用者支援を重視した環境設定を追求する取り組みは、施設の大きな特長としてあげられます。

 

  

3】心理職員を複数配置して、優れた相乗効果を生み出しています

 

現在施設では利用者の心理支援のため、臨床心理士等の心理職員を非常勤で3名配置し、それぞれの特性を生かした支援を実施しています。女性の心理職員は年齢の若い職員と経験豊富なベテラン職員の2名を配置し、子どもへの親しみやすさに配慮するとともに、母親にも人生経験を踏まえた助言ができるよう組み合わせています。また、男性の心理職員を1名配置し、利用者への心理的支援に加え、施設職員のスーパービジョンも実施しています。心理職員を非常勤雇用で複数配置することにより、利用者が相談しやすい相手を選択でき、効果的なかかわり・支援の実現につながっています。また、各心理職員が外部の専門機関に所属していることで、さまざまな情報を得たり、他機関との連携にも有効に作用するなど、各々の特性を生かすことで優れた相乗効果を生み出しています。

 

 

●独自に取り組んでいる点

 

地域に向けて、施設開放等の取り組みを推進しています

 

当該施設では、隣接する保育園・乳児院とともに古くから「白百合自治会」を組織し、地域社会の一員として事業運営を行って来た経緯があり、利用者の安全確保とプライバシー保護に配慮しつつ、地域に向けた施設開放等の取り組みを行っています。今般の施設の全面改築に伴い、地域の交流スペースとして活用可能な地域交流室・集会室」を設置しています。地域交流室・集会室は最大150名程度の収容が可能な広さを確保しており、遮音性の高い移動壁を用いて大規模な会合から小規模な文化教室まで、さまざまな活動に利用できるようにしています。現在も「赤ちゃん教室」や「体操教室」等で使用されているほか、地域の文化サークル等の団体にも貸し出しを行っています。また、「横浜市泉区特別避難場所応急備蓄整備施設」の指定を受け、災害発生時の応急物資の備蓄を行うとともに、泉区と防災協定を締結し、大規模災害発生時の避難場所として地域交流室等を提供することとしています。DV被害者が多く入所している母子生活支援施設の実状から、積極的な地域開放には限界もありますが、できる限り施設開放を推進する取り組みは、当該施設の独自性としてあげられます。

 

  

●改善や工夫が望まれる点

 

1】支援計画の見直し手順の明確化

 

現在施設では、入所中の母親一人一人に対して自立支援計画を策定し、支援目標と課題を明示して課題改善に向けた支援を行っています。しかし、利用者の状態や支援課題の変化に伴う計画内容の見直し・変更の手順は明確化されておらず、個々の状況変化に応じたタイムリーな計画の運用には至っていません。また、自立支援計画の内容は利用者の意向に基づき作成されていますが、利用者から内容に同意した旨の署名を得たり、計画書を利用者に配布するなどの取り組みは行われていません。

今後は、支援計画策定後の見直しの流れを整備して、利用者の状況に応じたタイムリーな計画運用を行うとともに、利用者と支援の方向性について認識共有を図るための取り組みが期待されます。

 

 

【2権限委譲による管理職育成と、組織全体で課題改善に取り組む体制の構築

 

当該施設では、施設長のリーダーシップのもと、各職種が連携してさまざまな取り組みを行っていますが、中間管理職が不在で、各専門職を取りまとめる基幹的職員の育成が急務となっています。施設長は法人理事長を兼務し、母子生活支援施設の関係団体の要職を担うとともに、地域のさまざまな活動にも参画して、幅広い情報収集と地域・関係機関との連携を実施していますが、その業務は多忙を極め、余裕がない状態となっています。施設では平成27年度以降、段階的に基幹的職員を育成し、管理職の配置を行う予定ですが、今後は施設長の業務をブレイクダウンして基幹的職員に分担し、組織的な取り組み・活動に変えていく必要があります。「役割が人を育てる」という言葉があるように、職員の資質向上を図る上では、業務を振り分け責任を委譲していくことが有効と考えられます。権限委譲と役割分担を実施し、職員の意欲と主体性を引き出すなど、施設全体の資質向上を図る取り組みが期待されます。

 

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