●横浜市三春学園

分野

(対象種別)

運営主体     所在地 使用評価項目

報告書作成日

社会的養護 

(児童養護施設)

横浜市 

横浜市金沢区  全社協版 2015年2月14日
 
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公表用評価結果報告書【横浜市三春学園】.pdf
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報告書より抜粋:総合評価

 

 【施設の概要】


横浜市三春学園は、横浜市で唯一の市立児童養護施設です。横浜市金沢区富岡東の住宅地にあり、家庭で養育することが困難になった子どもとその家族の支援をしています。昭和41年横浜市南区三春台にあった三春園と現在地にあった富岡学園が合併して横浜市三春学園が開設され、平成2年、現在の園舎に改築されています。利用者15名程度の中舎制3ブロック、他のアパートなどでの6名程度の小規模グループケア2ブロックがあり、平成269月時点で54名の小中高生が職員の支援を受け、共同で暮らしています。他の児童養護施設に比べ年齢の高い高校生等が多いという特徴を持っています。


  

●特長・優れている点   


1】自立心を育む子ども支援  


 〇施設の基本理念は「児童一人一人が持っている力を最大限発揮できるように援助するとともに、卒園後に社会に適応し、自立生活していくことができる力を持たせていきます。」としていて、職員に理念の遵守を求め、子どもたちが卒園後を見据えた生活力を育めるように日々の支援に努めています。


〇日常生活でも将来の生活に備えて家事が身に付くように、職員は模範を示しながら、食後自分で食器を洗うこと、自分の居室のほかに共用部分のトイレなどの掃除を分担して行うこと、さらにはブロックごとの調理実習の企画等を子どもたちが無理なく行えるように支援しています。実際に食後は、当然のように小学校低学年から高校生まで全員の子どもたちが上手に食器を洗っています。


 〇年齢に応じて金銭管理が行えるように、段階を設けて小遣いを預かったり買い物に同行したり小遣い帳の記帳を教えたりしながら、自分で予算に合う買い物ができるようにしています。高校生のアルバイトについても、子どもたちと相談して将来に備えて貯金もできるように支援をしています。


 〇子どもたちには、帰宅後宿題をするなど学習の習慣が身に付くようにしています。必要な子どもは職員が教えたり通塾やボランティアによる学習支援を利用したりしています。課題を抱えている子どもたちも学費の心配がないように頑張って、今年度、高校生は全員公立高校に入学しました。



2】人権の尊重


○「三春学園児童援助計画」のはじめに児童の基本的人権を守り心身ともに健やかな成長発達を支援していくための計画であることを定め、この計画に基づき様式を定め、子どもたち一人一人について丁寧な児童自立支援計画を作成しています。自立支援計画は、子どもの特性やニーズ、希望を尊重し、担当職員やブロック職員だけでなく心理士、家庭支援専門相談員等と協議の上、児童相談所とも相談して目標を定めて作成し、年度途中で見直しもしています。


〇職員が不適切なかかわりをせず虐待防止を徹底するため、毎年研修会を開いています。今年度も指導援助重点ポイントの第一に施設内虐待防止と子どもの権利を尊重していくための職員研修実施が掲げられています。職員は虐待防止チェックリストとして、心構え・生活・制限・人格および権利の尊重などの項目別に計20項目の自己評価をして振り返りもしています。


〇子どもたちの自治能力を高めるため児童自治会を設けています。中舎制の3ブロックから2名ずつ、小規模グループケアの2ブロックから1名ずつ互選の子どもたちが、児童自治部会担当の職員の支援を受け、毎月学園生活の問題の解決に向けて話し合っています。子どもたちの要望は実現できないこともありますが、納得がいく説明をすることに努めています。これまで帰りが遅い運動部の中学生にのみ軽食費が支給されていましたが、「ブラスバンドなど文化部だってお腹がすく」という声に応えて、すべてのクラブ活動参加者に支給されるようになったり、園庭でのボール運動等の決まりを作ったり、卒園を祝う会のときは、卒園生は忙しいのだからその前にレクの会をしようと計画したり、自主的に節水のポスターを作ったりするなど、自分たちの要望を表明でき、他の子どもや全体のことも考えるという力が育ってきています。


 

3】職員の連携と公立施設の責務の遂行


〇施設は公立施設として、児童相談所から依頼された子どもはすべて引き受け養育しています。その結果他施設に比べ中高生が多く困難を抱える子どもたちのセーフティネットともなっています。一方、職員体制は、横浜市の職員配置により他施設より手厚くなっています。職員は市の人事異動もあり、同じ子どもにずっとかかわれないことも多いですが、全職員の目で子どもたちを育て、多様な職場を経験し広い視野で養育を考えられるという面もあります。職員は公務員としての規範意識と子どもたちへの愛情をもって連携して仕事をすることによって、責務を遂行しています。さらに、職員ヒアリングでも施設長等管理職に対して「相談しやすい」「子どものことも職員のことも親身になってくれる」という声が多くありました。


 

●さらなる取り組みが望まれる点


1】施設環境を整える支援


〇施設は居室の個室化が進められていますが、現在、中舎制の3ブロックは10畳の和室に子どもたちが2~4人で同室となっています。個人用のロッカーや机もありますが、ブロックの中で1人になれる空間がなく、プライバシーを保護しにくい状態です。個室化の工事が速やかに進むことが望まれますし、当面の間も思春期の子どもたちが、職員に見守られながらも1人になれる場所を設ける工夫が望まれます。また、共用部分はきれいに使ったり分担して掃除をしたりしている子どもたちなので、さらに居室の整頓等も、苦手な子どもたちも抵抗なく行えるような工夫が期待されます。


 

2アフターケアの取り組み


職員は、子どもたちの卒園後の自立に向けて日常の支援に力を入れていますが、卒園した子どもにも成人になるまでは2か月に一度程度電話を入れたり、年賀状を出したりするなど、自立がスムースにいくように配慮しています。退所者と職員で夏に野球大会をしたり、2月の施設のもちつきに招待したりもしていますが、これまでは、退所後2年を経過すると施設との関係も疎遠になることが多かったようです。平成25年度から長年勤務した職員が退職し再任用でアフターケアの担当になりましたが、子どもたちのこともよく知っているので、さらに、施設が卒園生にとってもずっと拠り所となるような取り組みが期待されます。同時に、子どもたちを支えるNPOなどとも連携し、子どもたちが多くの情報を得てより選択肢が広がるような支援も期待されます。



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