●久良岐乳児院

分野

(対象種別)

運営主体  所在地 使用評価項目

報告書作成日

(運営委員会開催日)

社会的養護

(乳児院)

(社福)久良岐母子福祉会

横浜市南区 

全社協版

2013年11月1日
 
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公表用評価結果報告書【久良岐乳児院】.pdf
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報告書より抜粋:総合評価

【施設の概要】

当乳児院は昭和46年に事業を開始しました。経営母体は「社会福祉法人 久良岐母子福祉会」で、終戦後の昭和26年に、生活に困窮した母子のための活動を開始し、以来、横浜市南区に根を下ろし、時代の要請に応えて次々と母子寮、保育園、母子ホーム、乳児院を設置・運営してきました。南区中里に広い敷地を有し、現在、3階建の建物の1階に法人本部を置き、同じ1階に保育園、2階に乳児院、3階に母子生活支援施設と学童保育室を併設しています。同法人ではこれ以外に南区井土ヶ谷で保育園を経営しています。 

当乳児院は定員27名で、現在0歳から4歳までの子どもたちが生活を共にしています。なお、2年後の平成27年度に改築を予定しています。

 

●特に評価が高い点

1】職員の、養育の専門家としての視点と熱い思いに包まれて、子どもたちは落ち着いて日々を過ごしています

当施設では、乳児院として子どもと養育者との一対一のかかわりによる愛着関係・信頼関係の形成を重視する理論に基づきマニュアル類を整備し、担当養育制をとって実践しています。1人の保育士が12人の子どもを担当して日常の養育において主体的に関わり、年に2回、担当者の自宅に子どもが1泊して実際の家庭の雰囲気を経験する取り組みをする等、入所から退所まで一貫したかかわりを持っています。しかし、グループ保育、集団保育体制も取り入れ、担当者が子どもを抱え込む心理状態になることを防いでいます。グループごとに話し合いグループカリキュラムを作成し、チームで子どもを見ることで、客観的に複眼的に子どもを観察・理解する目を養えるように工夫しています。職員は子どもの小さな変化も見逃さず、子どもとともに喜び、また考え、子どもと心をつなぐことでモチベーションが上がります。訪問調査では、子どもを中心に考え行動する職員の姿が垣間見え、また職員ヒアリングでも子どもへの熱い思いが伝わってきました。

子どもたちはそのような、子どもを中心においた職員の思いに包まれ、守られ、さまざまな課題を背負いながらも、落ち着いた日々を過ごしています。

 

2】新人育成に力を入れ、職員が力を合わせて施設を運営する仕組みを作っています

新入職員に関して、「ペア制度」による3年間の研修計画を実施しています。「ペア制度」とは、中堅職員が新入職員個別に指導者としてつき、気づきによる自発的な成長をうながす指導方法です。そこでは、「新人育成マニュアル」に基づく一対一の実地指導の中で、実務的なことのほかに、マニュアルでは表現できない「子どもと心をつなぐ養育の心」、「箇条書きの理念では表現できない理念の基底にあるもの」等を伝えていくことを大切にしています。当施設ではこの新人育成に力を入れ、初めの3ヶ月は特別に手厚く、副院長から個別に指導を受けます。その後は3段階の指導計画に基づき、ペアを組んだ中堅職員が新入職員を育成し、それによって中堅職員自らも育つ仕組みを作っています。

施設内運営組織は、「マネージャー(リーダークラスの職員)の会」「中堅の会」「調理職員と中堅の会」が中心となり、新人も「新人の会」のメンバーとして役割を持ち、各会につながりを持たせ、連携して職員全体で施設運営に当っています。この体制は院長・副院長の見守りと軌道修正の仕組みも備え、子どもを主体とした取り組みが展開する基盤となっています。

 

3】「子どもを主体とした小規模化」のあり方を追求しています

施設内の一室を活用して小規模ケア室を設け、47人の固定した子どもたちの日中の生活全般を職員2人が見る小規模ケアを試みています。そして、小規模化検討委員会を設け、実践による小規模ケアの数々の利点を確認しながらも、病児はどうなるのか、虐待経験等で小さい部屋を恐れる子どもをどうするか等、当施設で予想される問題点を具体的に出していきます。それらの課題に対して、スーパーバイザーの支援も受けながら、職員自らが解決の手段を模索しています。施設の改築も見据えながら、「子どもの最善の利益」のために自分たちに何ができるか、できないか等をさまざまな角度から話し合い、「子どもを主体とした小規模化」の姿を追求しています。

 

●さらなる取り組みが期待される点

1】新アセスメント方式の定着とその有効活用への取り組み

今年度より、アセスメントの方法を全国乳児福祉協議会の「乳児院におけるアセスメントガイド」に基づいた新しい様式に切り替え、子ども一人ひとりのニーズを捉えるための取り組みを積極的に行っています。今年度は研修の意味もあり、担当職員とケース検討委員会で話し合いアセスメントを作成しています。

今後、新しいアセスメント方式が職員間で定着した際には、グループカリキュラムでの話し合い結果や多くの職員の意見や気づきがアセスメントに反映されるような仕組み作りが期待されます。また、アセスメントガイドの活用により、自立支援計画がより機能するようになるとともに、計画のより柔軟な見直しにも活かされることが期待されます。

 

2】子どもが自由に遊びやおもちゃを選択するための工夫

子どもが日々の生活を安全・安心に落ち着いて過ごす、ということに対しては万全な配慮がなされています。危険を予知し、見通しをもって支援にあたれるよう、職員は常に全員の子どもを理解するよう努め、連携して養育・支援にあたっています。

一方で遊びについては、子どもの発達に合わせた良質のおもちゃをそろえるなど工夫していますが、子どもが自由に取り出して遊べるのは小規模ケア室のみとなっています。建物の構造や安全面などからの制約はあるものの、子どもの自主性を養うためにも、子どもが自由に遊びやおもちゃを選択するためのさらなる工夫が期待されます。

 

●改善が望まれる点

避難経路を確実に確保するための環境整備

事故防止のために、遊具や設備、危険物等の点検をして、安全確保に努めています。しかし、廊下に置いてある荷物も多く、実際の地震等を想定して、一考することが望まれます。現在、避難経路は定められていますが、迷路のような部分もあり、非常災害時にはボランティアや実習生なども含めて誰でも速やかに確実に対応できることが望まれます。

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